國王陛下の音楽師範

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國王陛下の音楽師範



Master of the Queen's King's Music
(あぁ、誰かこのギャグをわかっておくれ...)



現在第1部:コードの成り立ち 第13回:イレギュラーなコード補習3 にて第1部を終了致しました♪(04/07/29)なお、ヴァカンス後あたりにヒマがあれば第2部スケール編を行いたいと思います。


                第1部:コードの成り立ち
                 第1回:基礎なのか?
                 第2回:トライアド
                 第3回:7thコード
                 第4回:9thコード
                 第5回:11thコード
                 第6回:13thコード
                 第7回:イレギュラーなコード其の壱
                 第8回:イレギュラーなコード其の煮
                 第9回:イレギュラーなコード其の讃
                 第10回:イレギュラーなコード其のヨン
                 第11回:イレギュラーなコード補習1
                 第12回:イレギュラーなコード補習2
                 第13回:イレギュラーなコード補習3



前口上

陛下の御言葉>>このコードってなんでちか
爺様より謹んで御返答>これは......はなすとながくなるでち。
>今度HPで特集するでち。
>かんたんにいうと、たとえばCなんちゃら、てコードがあると、
>どれみふぁそらしどれみふぁそらしど
>...のように、”ど”の音を1として、
>どみそしれふぁら(ど)と奇数の番号の音を積み重ねたものナリよ。
>例えば、Cmaj9(Cめじゃーないんすと読む)
>とかなら、どみそしれ(13579)と積んだものナリ。
>最初のCというのが、”ど”のことでち。
>日本では、どれみ〜と階名を読むでちがこれはイタリア語で、
>コードでは、英語の階名を使うでち。
>どれみふぁそらしど=CDEFGABでちね。
>(ちなみに独語ではCDEFGAHでち。びみょにちがうでち)
>まぁ、こんど詳しく載せるでちよ。わからないことがあったらきくでち

...てなことから、この度國王陛下に音楽を教えることになりました。
頑張ってウソを教える予定です。
皆様よろしくお願い致します。<(_ _)>
(いいのかそんなことで...)

というわけで、エルガーの誕生日6月2日連載スタートです。





第1部:コードの成り立ち


第1回:基礎なのか?(≒木曽義仲)(04/06/02)

 さて、第1回目の講義は、基礎からです。といっても必要最小限にしておきましょう。あんまり余計なことをしゃべるとかえってワケワカメになりますので。

 えー、とりあえず、コードのことが知りたいとの仰せですので、コードがわかるための最小限の知識をつけることにします。

 前口上でも述べている通り、コードには英語音名を使います。
C・C#(Db)・D・D#(Eb)・E・F・
F#(Gb)・G・G#(Ab)・A・A#(Bb)・B
ですね。これらのどれかの音を基礎として、コードはできています。

 今、基礎という言葉を使いましたが、これをルート音(=根音)といいます。たとえばCなんちゃら、というコードがあったとして、このC音のことです。このルート音の上に、コードを構成する音が積み重ねられていくことになります。

 積み重ねる方法についてですが、たとえばCなら、どれみふぁそらしどれみふぁそらしどを、それぞれ1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12・13・14・15(英語を使用しているので、1st、2nd、と数えます)と番号を割り振って、その奇数番号の音を積み重ねていきます。

つまり、ふぁふぁしど(15thは1と同じなので使われない)
という風になります。というわけで、コード理論上ふつうは7つ以上の音を積み重ねることは原則としてありません。(もちろん例外はあります。)
と、ここまでが基礎になります。ここまでは前回お話ししたのでご存知ですね。

では、ここらで一度休憩です。






第2回:トライアド( =triad )(04/06/03)

 さてさて、引き続いていきます。
まず、基本中の基本の、トライアドです。その名の通り3つの音からできています。
このトライアドには、大きく分けて2種類(例外形もありますがのちほど扱います。)あります。
Cをルート音とすると、C、Cmの2つです。
それぞれ、【しー(orしーめじゃー)】、【しーまいなー】と読みます。

 それでは、実際にコードを作ってみましょう。
まず、Cからです。
当然、ルートはC(=ど)です。そのうえに、Cからスタートして半音5つ上の音E(=み)、Cからスタートして半音8個上の音G(=そ)を加えればできあがりです。あ、数えるときはうえにある鍵盤を参考にしてくださいね。あとは、ルート音がいくら変わっても、数え方は同じです。Dbなら、Dbと、半音5つ上の音F、半音8つ上の音Abが加わります。

 次に、Cmです。こちらは、ルート音Cの上に、半音つ上の音Eb、半音8つ上の音Gが加わります。つまり、CとCmは、3rdの音が”み”であるか、”みb”であるかの違いしかないわけです。

 これで、ほとんどのコードの基礎はOKなのですが、上でも書いたように例外があります。たとえば、どれみふぁそらしどの上にコードを作っていくと、どみそ(=C)、れふぁら(=Dm)、みそし(=Em)、ふぁらど(=F)、そしれ(=G)、らどみ(=Am)、...ここまではよいのです。しかし、Bをルート音とするコードは、”しれふぁ”なのですが、”し”から数えて”ふぁ”の音は、半音7つ上の音なのです。
 つまりC(メジャーコードという)やCm(マイナーコードという)などよりも、5thの音が半音1つ分低いわけです。そこで、Bm-5(びーまいなーふらっとふぁいぶ、と読む。Bmb5とも書く。)と書き表します。これで、どれみふぁそらしど、の上にできるトライアドは全部揃ったことになります。

ちなみに、-5があれば+5もあるわけで、例えばC+5ならば、Cと、半音5つ上の音E、そして半音9つ上の音G#が加わります。

 以上で、トライアドは終了です。次回は7thコードになります。

では、ここらで一度休憩です。






第3回:7thコード(04/06/03)

 さて次は、準基本コードの7thコードです。

7thコードには、2種類あります。ほにゃらら7thコードと、ほにゃららメジャー7thコードです。それでは、それぞれを見て行きましょう。

 ほにゃらら7thコードは、トライアドにルート音からスタートして半音11個上の音を加えたコードです。ですが、半音11個数えるのも面倒なので、普通は1オクターブ上のルート音からスタートして半音2つ下の音を加えます。例えばCのトライアドに半音11個上の音Bb(=しb)を加えればC7(【しーせぶんす】と読む)、Cmに加えればCm7(【しーまいなーせぶんす】と読む)になります。

 ほにゃららメジャー7thコードは、トライアドにルート音からスタートして半音12個上の音を加えたコードです。ですが、同様に、普通は1オクターブ上のルート音からスタートして半音1つ下の音を加えます。例えばCのトライアドに半音12個上の音B(=し)を加えればCmaj7(【しーめじゃーせぶんす】と読む)、Cmに加えればCmmaj7(【しーまいなーめじゃーせぶんす】と読む)になります。

 ちなみに、このメジャー7thコードですが、いろいろ表記方法があります。
Cmaj7=CM7=C△7 この3つのどれでも構いません。(△でかっ...)
それから、マイナーメジャー7thコードはめったに使われません。
まあ、ないことはないですが...

というわけで、前回のトライアドとこの7thコードがあれば、ほぼ全てのポップスは演奏できます。9、11、13thの音は省略しても大勢に影響ないからです。初見で弾き語り等する時にはたいがいムシされます。(悲

 以上で、7thコードは終了です。次回は9thコードになります。

では、ここらで一度休憩です。







第4回:9thコード(04/06/06)(04/06/09改訂)

 さてここからは、9th、11th、13thを3回かけてあつかうのですが、この3つをあわせて、「テンション」と呼びます。コードに緊張感をもたらすところからついた名前なのでしょう。

で、9thコードなのですが、今までより扱いが多少複雑になります。とりあえず、普通の9thコードの作り方から行きましょう。

 9thコードは、ほにゃらら7thコードやほにゃららメジャー7thコードにルート音からスタートして半音15個上の音を加えたコードです。ですが、半音15個数えるのも面倒なので、普通は1オクターブ上のルート音からスタートして半音3つ上の音を加えます。例えばC7に半音15個上の音D(=れ)を加えればC9(【しーないんす】と読む)、Cm7に加えればCm9(【しーまいなーないんす】と読む)、Cmaj7に加えればCmaj9(【しーめじゃーないんす】と読む)、Cmmaj7に加えればCmmaj9(【しーまいなーめじゃーないんす】と読む)になります。

つまり、いわゆる7thコードがなんであれ、9thの音は同じわけです。

 そして、この9thコードには、5thの時に説明したような、+,−があります。
賢明なる陛下の推測どおり、b9thの音は半音14個、#9thの音は半音16個上の音です。
ちなみに、書き方は下に板書しておきます。



読み方は、【しーせぶんふらっとないんす】、【しーせぶんしゃーぷないんす】です。
もちろん、-9、+9の代わりに、b9、#9と書いても構いません。
9th、11th、13thの音がbや#を伴って加わる時は、上記板書のようにコードの右肩に書きます。

ちなみに、ほにゃららメジャー7thコードやほにゃららマイナー7thコードでこのb9、#9の音を使われることはめったにありません。...というか、b9、#9の音はほにゃらら7thコードの特殊な性格を背景にできているので(のちのち説明します。でもかな〜り後になると思います。それまでに説明しないといけないことがたくさん...)、通常はほにゃらら7thコードでしかこの音を見かけることはありません。ということだけとりあえず知っておいて下さいませ。
(まあ、使うことは不可能ではないですが...)


少し複雑になってきましたが大丈夫ですか?解らなければ質問して下さいませ。陛下。

國王陛下>-9thや+9thの音がm7やM7に付かないのは何故なのにゃ?これがよくわからなかったのにゃ。Cmaj7thに-9を付けると、不愉快な音だからなのにゃ?

爺様>さすがですね...直そうと思ってたところをついてくるとは...直しておきましたのでご覧下さいませ。<(_ _)>
ちなみにCmaj7と書くときはthはいらないでちよ。省略OKです。個々の音を問題にするときはthをつけるでちけど。


 以上で、9thコードは終了です。次回は11thコードになります。

では、ここらで一度休憩です。






第5回:11thコード(04/06/09)

 テンション第2回です。今日は11thコードになります。

 11thコードは、今までとは少し勝手が違います。なぜかというと、メジャーコードとマイナーコードで扱いが違うからです。ではそれぞれに場合分けして見てみましょう。


1)マイナーコードについて

 ...本当は、メジャーコードから説明したいのですが、マイナーコードの方が今迄の流れに逆らわずに説明できるので、先にマイナーコードから説明しましょう。
 ほにゃららマイナー11thコードは、ほにゃららマイナー9thコードにルート音からスタートして半音18個上の音を加えたコードです。ですが、半音18個数えるのも面倒なので、普通は1オクターブ上のルート音からスタートして半音6つ上の音を加えます。例えばCm9に半音18個上の音F(=ふぁ)を加えればCm11(【しーまいなーいれぶんす】と読む)となります。

 そして、この11thコードには、b11thがありません。なぜかというと、ルートの半音17個上の音は、メジャーコードの3rdと同じ音だからです。ですから、マイナーコードにつけられる11thの音は、11thと#11thのみとなります。
 つまり、Cmでいえば、Cm11(=Cm9+ふぁ)とCm9#11(=Cm9+ふぁ#)
ということになりますね。


2)メジャーコードについて

 ほにゃらら11thコードは存在しません。またほにゃららメジャー11thコードも存在しません。
それは、メジャーコードに対する11thの音は、省略してよいテンションとしてではなく、省略することができない3rdの音の変化したもの(=4th)として扱われるからです。この偶数の構成音については、後ほど独立した授業をおく予定です。

 従って、メジャーコードにつく11thの音は、#11thのみとなります。
C9ならば、C9#11、Cmaj9ならば、Cmaj9#11となります。
読み方はそれぞれ、【しーないんすしゃーぷいれぶんす】
         【しーめじゃーないんすしゃーぷいれぶんす】ですね。



 また11thの音は、マイナーコード、メジャーコードとも、7thコードに直接加わることもあります。
C7#11とか、Cm7#11とか、Cmaj7#11とか。
いずれも前回板書したように、7thコードの右肩にテンションを書きます。
いちいち板書するのが面倒なのでC7#11みたいにラクして書きますが。



...陛下、大丈夫ですか?だんだんややこしくなってきましたが。



國王陛下>どうもコードとやらは、音を重ねてゆくのにゃというのは分かったのにゃ。
ちょっとわからなかったのが、フラット5やフラット9に11thを重ねたりもするのにゃ??
それとも11thは普通のトライアド+7や、普通の9thなどにしか重ねないのにゃ?
コードって樹形図っぽいのにゃv

爺様>そうそう、樹形図になるんですよ。そこを理解して欲しいがために、実はイレギュラーだけど頻出するコードは外してあります。
 それからb5などの上に11thがつくことは当然ありえますよ。Cm7b511とか、C7b9#11とか。
(実際の表記の仕方は13thの時にまとめてしますね。)


國王陛下>先輩からがめたキーボード(単3電池4つで動く。ほぼおもちゃ)は、4つ以上の和音が出来ないことが判明しました。(T_T)
 4つのうちどの3つが鳴るかによって音が違う…(T_T)

爺様>4つでちか〜。ほんとはせめて8音ポリくらいあればいいんでちけどね。
(それもMIDI端子つきで)


以上で11thコードは終了です。次回はいよいよ最後のテンション13thです。
13thが終わったら次はイレギュラーなコードの説明に入ります。
偶数の構成音についてとか、オンコードとか...

それが終わったらとりあえずコードの成り立ちは終了ですね。たぶん。
たぶん...なにか忘れてなければ。

では、ここらで一度休憩です。








第6回:13thコード(04/06/12)

 さて最後のテンション13thです。
この13thは、11thまでのテンションと違って、ほにゃらら13thという和音はありません。
理由は、
@)メジャーコードにはノーマルな11th(=ナチュラル11th)が存在しないため、
  テンションをまとめて表記できない(テンション個々を表記する)。
A)マイナーコードには13thは存在しない(※)
ことによります。では詳しく見ていきましょう。

1)メジャーコードについて

 メジャーコードの13thの音は、ルート音からスタートして半音22個上の音です。で、いつものように22個も数えるのは面倒なので、普通は1オクターブ上のルート音からスタートして半音10個上の音を加えます。例えばC9に半音22個上の音A(=ら)を加えればC913(【しーないんすさーてぃーんす】と読む)となります。

 そして、この13thコードには、#13thがありません。なぜかというと、ルートの半音23個上の音は、ほにゃらら7thと同じ音だからです。ですから、メジャーコードにつけられる13thの音は、b13thと13thのみとなります。 つまり、C9でいえば、C9b13(=C9+bら)とC913(=C9+ら)ということになりますね。

2)マイナーコードについて

なぜマイナーコードに13thが存在しないかというと、これが説明が難しいんです。コードにはアヴォイド・ノート(=忌避音、=avoid note)というものがありまして、b13th、13thとも使ってはいけないことになっているんです。(アヴォイド・ノートはスケールへの導入の際に説明しますが、コードの性格を殺してしまうため、使えない音のことです。)
 ただ、※印をつけてあるように、最近はb13th、13thとも使われる傾向にあります。そのあたりがまた説明しにくい要因なのですが...まあ、現実に使われるようになってきているので、使えるとしておいても差し支えないかもしれません。(実際じぃ様は使っています。)そして使い方にも問題がありまして、Cm713ならば、普通にCm7+ら、なのですが、Cm7b13は使い方(=ピアノでの押さえ方)が決まってしまっています。(10年前くらいに坂本龍一、矢野顕子、カシオペアなどで多用されてました。)このあたりは難しくなるのでまたのちほど。


 では、これでテンションの説明は終了なのですが、最後におまけとして考えうるできるだけいやらしいコードの表記例を挙げておきます。

I )C7b9#11b13
II )Cm7b5b91113
III)Cmaj7b9#1113



こんな感じでしょうか。
陛下、お疲れ様です。<(_ _)>いかがですか?
次回からはいよいよイレギュラーなコードへ突入です。
(といってもたいしたことはありませんが)

では、ここらで一度休憩です。







第7回:イレギュラーなコード其の壱(04/06/16)

 少し間があいてしまいましたが、13thまでは理解できたでしょうか?後半は少し難しかったかもしれませんが、慣れればなんてことはありません。
(まぁ、慣れるほど使う人も珍しいですが。)

 さて、理論的な一貫性を重視したため、よく使うのに触れていないコードがありますので、ちょうど一区切りついたところで説明したいと思います。

1)偶数コードについて

 いままで、1.3.5.7.9.11.13.と、奇数の構成音について説明してきましたが、偶数の構成音が全く使われないわけではありません。使われる偶数音は、

・4th(sus4)
・6th

以上の2つです。6thの方は、次の項で一緒に説明しますので、ここでは4thのみ解説します。

 4thは、11thの項の際に少し説明したとおり、11thと全く同じく、ルート音からスタートして6番目(=18番目)の音です。マイナーコードの際は前述の通り11thとして扱われます。問題はメジャーコードです。メジャーコードの3rdの音はしばしば半音上の音(=4th)に掛け留め(=suspended)て使われます。そして、掛け留めてある以上、元の音(=3rd)に戻ってきます。この掛け留めている状態の和音を、sus4と呼びます。
 つまり、ルート音がCのコードで説明すれば、

Csus4【しーさすふぉー】(どふぁそ)→C(どみそ) ということになります。また、

Csus4 → Cm                    ということもありますが、

こういう場合にCmsus4と書くのは不適切です。あくまでも、掛け留めできるのはメジャーコードだけです。たとえ解決先のコードがマイナーコードであっても、それはたまたまメジャーコードの代理をしているにすぎません。

 なお、このsus4コードが存在するのは上記の通り純正のメジャーコードだけであって、マイナーコードや、5thが変化したメジャーコード(b5、#5など)にはsus4は存在しません。そのかわりあらゆる純正なメジャーコードにつきます。7thであろうと9thであろうと。表記方法は、C7sus4【しーせぶんさすふぉー】とか、C9sus4【しーないんさすふぉー】となります。

 なお、このsus4コード、しょっちゅう出てきます。(SASのtsunamiのサビとか)

 本当はもう一つ説明する予定でしたが、意外に長くなってしまったので6thほかは次回にまわします。


では、ここらで一度休憩です。







第8回:イレギュラーなコード其の煮(04/06/16)

 前回進むはずのところまで進まなかったので(汗)、続きです。今日は、6thとaddについて説明します。

 コードは、今まで説明したとおり、トライアドが基本形で、7thコードが準基本形です。そしてその上にテンションが任意に載ることになります。しかし実際には7thを伴わずに、テンションがトライアドに単独で加わることがあります。それがadd9、add11、6thです。それでは、各々を説明しましょう。

2)add9、add11について

 この2種類のコードは、前述のとおり、7thを伴わずにそれぞれトライアドに単独で9th、11thを加えるコードです。綴りをみれば見当はつきますね(加えるんですから)。
 ルート音がCのコードで説明すると、

Cadd9【しーあどないんす】(どみそれ)
Cmadd9【しまいなーあどないんす】(どbみそれ)
Cmadd11【しーまいなーあどいれぶんす】(どbみそふぁ)

以上のようになります。Cadd11は当然ありません。(Csus4参照)
また、b9、#9、#11もまず見ることはないですが、使うことは可能です。。
(Caddb9、Cadd#9、Cadd#11)

2)6thについて

 せっかくaddというシステムがあるのですから、13thもそれを使えばいいじゃないかと思うのですが、現実にはトライアドに単独でノーマルの13thが加わるときは、6thを使います。
(6thと13thは、オクターブ違いますが同じ音です。)
 ルート音がCのコードで説明すると、

C6【しーしっくす】(どみそら)となります。

ちなみにC6に7thを加えれば、C713です。
また、b13は単独で加わることはまずない(代わりに#5が使われる)ので、
6thが使われるのは、C6、Cm6のような形か、C69【しーしっくすないんす】(=どみそられ)(←これが中学時代言えなかった〔笑)のように9thとセットで使われるかのどちらかです。
ちなみに、C69の表記の仕方は、

となっております。


ちなみに、add9、6thもポップスでは頻出です。add9はオ○コース(というか小○和正)がよく使ってますね。ニューミュージックから派生した爽やか系ポップスに多いです。m6(またはm69)は初期のな○ぶちつ○しとか、さ○ま○しとかのフォーク調の曲のエンディングなどに特徴的に使われます(笑) (もちろんそれ以外の使用方法もあります。)

...陛下?(ゆさゆさ)
國王陛下>ムニャ...
爺様>寝ちゃいましたかね。あとでたっぷり宿題を出しましょう。

では、ここらで一度休憩です。







第9回:イレギュラーなコード其の讃(04/06/19)

 イレギュラーなコードも3回目となりました。予定ではあと一回でイレギュラーなコード編を終える予定なのですが、次回は概念的に少し面倒なので、ひょっとしたら終わらないかも...

「zzz...」
 ...陛下はお寝みのようですが、続けましょう。仕事ですので。(笑

1)オンコードについて

 オンコードとは、その名の通り、on chord です。なにかの上に載っているわけです。つまり、Cm7onFのようにルート音=Fの上にCm7が載っていたりするわけです。言い換えれば、このオンコードのシステムを使うことによって、ルート音を元のコードが何かに拘らず、自由に設定できるということです。

 このルート音は、本当に何の音でも構いません。
例えば、C/Fのように、Cのメジャーコードのテンションとしては本来使えないFの音などをルート音に持ってくることも可能です。

 表記の仕方は、Cm7onF、Cm7/Fと2種類あり、どちらでも構いません。

...構いませんが、
実は、この2種類のうち、Cm7/Fのほうは、もう少し複雑な事情をはらんでいます。
このCm7/Fというコードは別名スラッシュコードとも呼ぶ(/を使うからですね)のですが、このスラッシュコードがクセモノで、F/Gmなんて書き方をすることがごく稀にあります。

つまりGm(そbしれ)の上にF(ふぁらど)が載っているのです。

いままでの表記方法でいけば、これはGm11と同じですね。
となると、Gm/Fだと、ふぁらどの上にそbしれが載っていることになります。つまり、Gm/Fと書くと、ふぁそbしれなのか、ふぁらどそbしれなのかわからないことになります。
私は当分これで悩んでいましたが、これをふぁらどそbしれ、と解釈することはまずめったにないですし、こう書いてある場合はたいがい詳細な譜面と一緒ですから、見ればわかります。というわけで、ここまで書いといてアレですが、あまり気にしないで下さい(笑)。きっといつか誰かが詳しいことを教えてくれるでしょう!(逃

ちなみにこのスラッシュコード、よいこともあります。
Gb69/Fmaj9#1113などと表記すれば、鍵盤上全ての音を網羅できるからです。つまり、極端なことをゆってしまえば、ピアノ奏者が適当な鍵盤をヒジ打ち(!)とかしていれば、こういうコードだ!と言い張れるわけですね。まあ、詳しい人の前で本当にこう言い張ったら、優しく「どうしたの?ボク?」と言われると思いますが(笑

というわけで、まとめると、結局かっこよければいい、ということになりますか。
信じられるのは自分の耳だけ、といったところです。
昔はマリウス・コンスタンの曲や三善晃先生の曲をコードで分析したりしてましたが、ものの見事に○○○○なコードネームがつきました(笑

理論は所詮後漬けです。(ヅケ食べたいなあ)


 さて次回はおそらく第1部終了になるはずです。augやdimを扱います。
結構良く出てくるのに、このコードが最後になった理由も明らかになります。

陛下、わかりましたか?
「・・・」
まだ寝ていらっしゃいますね...

では、ここらで一度休憩です。






第10回:イレギュラーなコード其のヨン(04/06/24)(04/07/02:ハーフディミニッシュ改訂)

 いよいよ、第1部 コードの成り立ちも今回で最後(のはず..)になりました。
今回の講義が終われば、少なくとも作れないコードはなくなるハズです。(あくまで予定

さて、行きますよ、陛下。今日は起きてますね。

1)ディミニッシュについて

 これは...ええと。どこから説明しよう...
このコードの仕組みは単純です。ルート音があって、ルート音からスタートして半音4つ上の音を足して(=3rd )、足した音からスタートして半音4つ上の音を足して(=5th )、足した音からスタートして半音4つ上の音を足して(=7th )、足した音からスタートして半音4つ上の音を足したら、ルート音にもどってしまうという、金太郎飴みたいなコードです。
 例えば、Cdim【しーでぃみにっしゅ】(トライアドです)なら、(どbみbそ)ですね。これは、Cmb5と構成音が同じです。それから、Cdim7(or C7dim )【しーでぃみにっしゅせぶん】(【しーせぶんでぃみにっしゅ】)なら、(どbみbそら)です。

で、このコードのテンションなのですが...
なのですが...

...説明しないとだめですかね?(ないとかゆったら怒ります?)
...あるにはあるんですけど...その...b13thとか...
...

次いってミヨー(Milhaud)。(逃

2)オーギュメントについて

 このコードは、メジャーコードの#5と同じです。
なので、テンションのつき方も同じです。以上!
(例えば、Caug【しーおーぎゅめんと】(どみ#そ)=C#5)

...じゃあ、何が違うかというと、
   雰囲気ですかね。雰囲気。名前の。(笑

...というわけにもいかんでしょうねえ。 ぅぅむ、正直ゆって、トライアド以外では、
例えばCaug7(どみ#そbし)のように7thは時々みかけますけど、それ以外は見ませんね。
つまり、テンションが+5のようにたくさんつくことは実務上あまりないわけです。
それに、ディミニッシュ、オーギュメントとも、音の数え方に問題がある(スケールの部にて後述)ので、テンションの説明は後ほど。

さぁ、これで全てのコードの解説がおわったハズです!(投

dimとaugのテンションについては、いずれスケールの時に触れますが、正直言ってないと思って頂いて差し支えありません。というか、ある理由から任意に音を足すことができるので、わざわざ数字で指定する必要がありません。なので、dimとaugについては最後に解説しました。
つづきはまたいずれ。



 ちょっと予定より早くおわったので、ここでおまけの説明です。
本編で扱わなかったけれど、時々見かけるコードの説明です。

・ハーフディミニッシュ

例)Cφ【しーはーふでぃみにっしゅ】=Cmb5、
  Cφ7【しーはーふでぃみにっしゅせぶん】=Cm7b5
 です。
 Macでご覧になっている方は記号が読めないかもしれませんが、数学のファイと同じ記号です。ひとつ残った串団子です。めったに使いません。(使いにくいので)
あら、ちゃんと表示されませんね。
こうです。

・オミット3rd

どこぞの戦隊モノの名前みたいですが(汗)、その名の通り3rdの音を省略します。
C(omit3)【しーおみっとさーど】なら、(どそ)です。

 コードというものは、今まで説明してきたように、トライアド(root+3rd+5th)が基本です。
しかし実は、このうち5thは、演奏する際
いつでもどこでもだれとでも(笑)省略可能
なのです。
(但し#5やb5は省略できません。augやdimの5thも実質#5やb5なので省略不可です。)
...そして、ルート音や3rdの音は省略できないのですが、ごく稀にこのomit3を使って3rdの音を省略することがあります。(ルート音は当然省略できません)

「ごく稀に〜」と書きましたが、この3rdを抜いた和音を見かけること自体は、
じつはしょっちゅうあります。

どういうときかといいますと、3ピースのロックバンド(Gt.Bass.Dr.)等の場合です。
こういう編成の場合、ギターは音をディストーション等のエフェクター(電気的に音色を変える機械。他にコーラスとかいろいろある)で歪ませる(いわゆるきゅいーんて音ですね)ことが多いのですが、この歪ませた音でトライアド等の和音を弾くと、厚ぼったい使いにくい音になります。それが、3rdの音を抜いてルート音と5thだけにすると、かっちょいい音になるので(スモーク・オン・ザ・ウォーターの冒頭とか)、3rdが省略されることが非常に多いのです(俗にパワーコードという)。でもこれは、本来ある音を演奏していないだけですから、omit3とは少し意味合いが違います。
 そういうわけで、どうしても3rdを使ってほしくない状況、というのはそうそうあるものではないため、「ごく稀に〜」ということになるわけです。

 はい、結局長くなってしまいましたが、第1部本編はこれにて終了です。
次回は、陛下の質問に答える時間にしたいと思います。
その次からは、スケールについて軽くさらっと(!!)流したいと思います。

ではでは、おつかれさまでした。


では、ここらで一度休憩です。






第11回:イレギュラーなコード補習1(04/07/02)

 前回の授業は少しわかりにくかったですね。各コードごとに少し補習をします。


1)ディミニッシュについて

 このコードは、diminish の名の通り、「減らし」たコードです。
正直言って、いろいろな説明ができるのですが、今回はコード理論上辻褄を合わせやすい説明をしたいと思います。(でも前回と結果は一緒です)

 このディミニッシュコードは、例えばCdimならばルート音Cからスタートして半音4つ上の音Eb(=bみ)、半音7つ上の音Gb(=bそ)を足してできています。つまり、Cのメジャーコードの3rd、5thの音を半音ずつ下げてできています。そして、C7dimならば、それにルート音からスタートして半音10個上の音A(=ら)を加えたら完成です。つまりCの7thの音の半音下です。CdimとCmb5の構成音が同じところに注意して下さいね。

 このコードは、面白い特徴を持っていて、例えばC7dimの7thの音Aから数えて4つ上の音は、Cになります。すると、実際に作ってみたらわかると思いますが、C7dim、Eb7dim、Gb7dim、A7dimの4つは、構成音が同じで、ルート音だけが違うコードになります。このことが、のちほど代理コードというものを考える上で重要になってきます。

 少し脱線しましたが、ディミニッシュの構成音の話に戻ります。
7thまで説明しましたので、次はテンションになります。で、テンションなのですが、使えるテンションは既に決まっています。9thと11thとb13thです。それぞれ、ルート音からスタートして、半音15個、半音18個、半音21個上の音です。C7dimなら、れ、ふぁ、bらですね。各テンションとも1個ずつしかありません。多分。
 多分と書いたのは、私もC7dimb13しか見たことがないからです。9thや11thは見たことありません。

 なぜテンションが決まっているかというと、それには深いわけがあります。
いままで、この章にくるまでのコードは、基本的には「どれみふぁそらしど」という音階(ダイアトニックスケールという)の上にできていましたが、このディミニッシュは違います。Cからスタートするなら、「どれbみふぁbそ#そらしど」という、全音と半音が交互に出てくる音階(ディミニッシュスケールという)の上にできているんです。ですから、先ほどのC7dimに対するテンションは、この中のれふぁbら(=#そ)に限られるわけですね。

 但し、私も腑に落ちないのは、このスケール上でテンションを数えるなら、9thの音は「ど」になってしまう。ということです(数えてみましょう)。

 ですから、恐らくディミニッシュコードを作る、という観点から行くと、例えばCをルート音にしてディミニッシュを作るなら、ど、bみ、bそ、bbし(=ら)、れ、ふぁ、bら、(こう考えるとどれみふぁそらしど〜と数えた時の奇数の音になりますよね)というように、らの音を「し」のダブルフラットだと考えているのだと思います。7thの音(この場合bし)がさらにフラットになるわけですね。

そして、この考え方でいくなら、C7dimというものは、3rd、5th、7thの音がそれぞれ半音下がったものということになるので、9thや11thがもし加わる時は、C7dim9等と別記したほうがよいでしょう(でないと理論上半音下がることになってしまう)。こう考えてくると、Cdim7という表記は誤解を招き易いので望ましくない気もしますね(7thが半音下がらなくなる。ひょっとして下がらないのか?〔どきどき)

 ついでに補足ですが、このディミニッシュコードは、現場で使用する場合、例えCdimと書かれていても、実際には7thを加えて演奏される場合がほとんどです。私なら確実に音を4つ押さえます。なので、例えばどbみbそという和音をつけたくても、らを加えて欲しくないなら、CdimではなくCmb5と表記するべきです。このあたりが実践的ワンポイント、といったところでしょうか。

どうでしょう?わかりますか?
最近これを講義してると自分でも新しい発見があります(いいのか?



國王陛下>(-_-)やっぱりわからないのにゃ。
10回くらい読んだのにわからないのにゃー!!ディミニッシュのテンションのが
1つってゆーのと、♭13thしかないのと、スケールのところがわからないのにゃー!!(T_T)
せんせい、教えてたもれ。<(_ _)>
じぃ様>そうですね。ディミニッシュはまだまだ奥が深いので後ほどもう少し詰めますが、とりあえず陛下の質問に答えておきます。ディミニッシュのテンションは、まずめったに見かけることがありません。それは、恐らくC7dimという形が基本形なのですが、このコードが書いてある時点で、その部分には上記のディミニッシュスケールが適用されることになります(スケールの適用については後日)。そして、このディミニッシュスケールの上に存在する音以外は、おそらく以前出てきたアヴォイド・ノートに該当するんだと思うんです(推測)。なので、上記の通りスケール上にある9th、11th、b13thの音しか使えないことになるんです。たぶん。
 でも本当にこのディミニッシュコードのテンションは見かけないので、推測の域を出ません(じぃ様的にね)。b13thだけは見たことがあるので、そこから推測しています。
 恐らく間違っていないと思うのですが。



ではここらで一度休憩です。あつ...






第12回:イレギュラーなコード補習2(04/07/12)

 各コードごとの補習の続きです。

2)オーギュメントについて

 このコードは、以前説明した通りメジャーコードの#5と同じです。
つまり、ルート音からスタートして半音5つ上の音と半音9つ上の音を足してできています。では、どこが違うかというと、例えばC#5ならば、5thの音が#になっただけで、b13thの音が使えなくなる(#5=b13であるため)他はCのメジャーコードとテンションのつき方に違いはありません。
 ところが、これがCaugになるとCaug7(ど、み、#そ、bし)のように、7thコードくらいしか見かけません。なぜでしょう?

 その理由は、前回ディミニッシュの説明でも触れましたが、コードは、基本的には「どれみふぁそらしど」という音階(ダイアトニックスケールという)の上にできているのですが、(例えば)このCaugは、Cからスタートするなら、「どれみ#ふぁ#そ#らど」という、音どうしの間隔が全て全音である音階(ホールトーンスケール〔Whole tone scale〕という)の上にできているんです。ですから、先ほどのCaug7に対するテンションは、この中のれ#ふぁに限られるわけですね(9th、#11th)。しかし実際にオーギュメントには、ディミニッシュと同じく、ホールトーンスケール上の音は自由に足すことができるので、あえて表記することは非常に少ないです。

以上のようになります。陛下、わかりますか?



ではここらで一度休憩です。ふぁーぁ。(あくび






第13回:イレギュラーなコード補習3(04/07/29)

 前回からえらく長いことあいてしまいましたが、各コードごとの補習の続きです。

・ハーフディミニッシュ

最後にハーフディミニッシュだけ補足しておきます。

例)Cφ【しーはーふでぃみにっしゅ】=Cmb5、
  Cφ7【しーはーふでぃみにっしゅせぶん】=Cm7b5
  です。
ちょっとちゃんと表示されないようなので、板書しておきます。
こうですね。

結局なぜハーフなのかというと、○7dimでは7thの音まで半音下がっていましたが、ハーフディミニッシュでは5thまで半音下がって、7thはいわゆる通常の7thになる。そういう中途半端なコードなわけですね。その上、構成音的にディミニッシュスケールの構成音以外の音が含まれるので(7thの音)、ディミニッシュスケールとも無関係です。従って、上記の例のとおり○mb5と違いがない上、テンションの表記に難があるので、実際には○mb5を使う方が圧倒的に多いわけです。たまに出てきたら思い出してあげて下さいね、といったところでしょうか(笑

ごくたまに出てきます。

さぁ、結局2ヶ月もかかってしまいましたが、これにて第1部終了です。
陛下おつかれさまです。ってもう帰っちゃいましたかね...

もうヨォロッパはヴァカンスなので、プロヴァンスあたりで逢いましょー。
スケールの話をすることに本文中でなっちゃいましたので、きっとまたやるでしょう。

ご清聴ありがとうございます。<(_ _)>
なにか間違い等ありましたら遠慮なくどうぞ。










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